*この記事は「雲ノ平・高天原温泉をめぐるテント泊の旅」の二日目の記事になります。この記事では、この旅のハイライトである高天原温泉について書いていきます。ぜひそこだけでも見ていただけますと嬉しいです。1日目の記事についてはこちらをご参照くださいませ。
北アルプスの秘境をめぐる真夏の大冒険ー雲ノ平・高天原温泉テント泊の旅(1日目:折立ー雲ノ平)ー
【山行計画】
・日時:2020年7月17日ー7月19日
・メンバー:二名
・行程
└ 1日目:折立ー太郎平小屋ー薬師沢小屋ー雲ノ平キャンプ場/予想行動時間:約10時間
└ 2日目:雲ノ平キャンプ場ー高天原温泉ー鷲羽岳ー三俣蓮華岳ー黒部五郎小舎/予想行動時間:約11時間
└ 3日目:黒部五郎小屋ー北ノ俣岳ー太郎平小屋ー折立着/予想行動時間:9時間
【二日目の記録】
前日身体を暖めきれず寝たものの、意外と夜は熟睡することができました。今回から使い始めたNaturehikeのテントは二人用ということもあり、広々として使いやすいし、雨が降っていても雨漏りすることなく、暴風の中でもしっかりと自立してくれていたので、非常にコスパの良いテントだと思いました。もちろん財布に余裕があればもっといいテントはたくさんあるのだろうけれど。。
さて、朝4時前に目が覚めテントの撤収を始めます。それにしても寒い。気温が低いこともありますが、靴を濡らしてしまっているので寒さがとにかく不快だし、辛い。これは今日一日苦労しそうだという予感を覚えつつ、急いで撤収を進めます。(おそらく)祖父岳のシルエットがなんだか恐ろしい。
5時頃に行動開始します。この頃にはあたりは明るくなってきています。徐々に晴れてきました。それにしても本当に美しい場所です。
(おそらく)黒部五郎岳。本日のゴール予定地になります。
水晶岳、赤牛岳が稜線になります。4年前はあそこを歩いていたんだなと思うと感慨深い気持ちになります。思えば遠くまで来たもんだ。
さらば雲ノ平!今度はもっとゆっくりできる計画で訪れて、山小屋ライフを楽しみたいと思います!
5時30分に分岐に差し掛かります。ここから高天原温泉まではコースタイムで2時間40分ほどの道のりで降っていくことになります。基本的に道は整備されており、危険な箇所はありませんでした。一応こんな梯子の箇所もあるので、雨天時・雨天後はお気をつけくださいませ。
ほぼコースタイム通りで8時10分に高天原山荘に到着します。ここから温泉までは片道20分程度になります。
8時30分頃についに念願の、憧れの、夢にまで見た高天原温泉に着きました!もし人が一杯いたらどうしようかと心配していたのですが、完全な貸切です!こんな贅沢があっていいのか!テンションは最高潮に達します。
ここにくる日をどれだけ夢見たことか。感無量です。早速お湯を頂きます。暖かい。身体に染み入る。結構強めの硫黄泉です。泉温はおそらく40度ちょっとくらいでちょうど良い温度でした。これが日本一遠い温泉か。まさしく大自然のど真ん中。嗚呼絶景哉。
1時間ほどゆっくりとお湯を愉しみ、名残惜しさに後ろ髪を引かれつつ、泣く泣く高天原温泉を後にします。必ずまた来よう。そう心に誓い、9時30分に出発します。ここから岩苔乗越を目指して、下ってきた分上がりなおします。コースタイムは3時間になります。
ただ、どうも体調がすぐれない。せっかく温泉で身体を癒したはずなのにどうもペースが上がらない。これは何かがおかしい。そんなことも思いつつ少しずつ登り続けます。天気は少しずつ良くなってきました。
そして、13時20分に岩苔乗越に到着します。コースタイムを50分をオーバーしてしまいました。明らかに調子が悪くなってきています。本来ならば鷲羽岳に登る予定でしたが諦めて、とにかく先を目指すことにします。本来ならば黒部五郎小舎までいく予定でしたが、どうにも流石に無理かも知れないと計画の変更を想定し始めました。次の目標は三俣山荘としとりあえず先に進みます。コースタイムは1時間20分になります。それにしても本当に誰もいない。ここまで誰一人として会わないのも珍しいよなあなんてぼぅーとした頭で考えてました。こんな道をまずは降っていきます。登ったり下がったりが結構辛い。
途中黒部川水源地標なる場所を通過します。人はなぜ水源に魅了されるのだろうか。
そして今度は再び登り始めます。鷲羽が目の前に見えます。
ここで恐ろしいアクシデントに見舞われます。体調不良の影響で集中力がきれていたのか、途中で道標を見失ってしまったようで、知らず知らずのうちにバリエーションルートを進み始めていました。トレースに見えるものを追いかけてしまい、ハイマツ帯や腰の高さまで植物が生い茂った道を無我夢中で進みました。しかしどう考えてもおかしい。どう考えてもこの道が一般道なはずがないと気づき今度は降り始めます。すると今度はどこから登ってきたのかがわからなくなってしまいパニックになりました。まさか北アルプスのこんなわかりやすい場所でロストするとは、なんて情けないんだなんてことを考えながらなんとか冷静になろうと努めます。結果的に右往左往しましたが正規ルートを見つけることができ、なんとか窮地を脱しました。あとで地図を見てみると自分が進んでしまっていた場所の先は大きく切れ落ちた崖になっており、もしあのまま済んでいたらどんでもないことになっていたのかもしれないと、恐ろしい気持ちになりました。
そんなこんなで苦戦しつつもなんとか三俣山荘に到着します。到着時刻は15時30分頃。写真を撮る余裕も無くなっており、この辺りではほとんど写真を撮っていません。それだけ辛かったんだなと振り返って思います。コースタイムを1時間ほどオーバーしてしまいました。
少し休憩して先に進むことも考えたのですが、どうにも難しそうだったので、熟慮しパートナーとも相談の結果、今日は先には進まず早めに休憩を取ることにしました。そして夜の22時に出発し、本日分の遅れを取り戻そうということに決定しました。どうやってテント設営をしたのか、その後何を食べたのか、いつどのように寝たのかはあまり覚えていません。とりあえずまずはじっくり休むこと。少しでも体調を整えること、それだけで頭の中は一杯でした。しかし、高天原に行けたことだけは確かなる達成感とともに胸に残り続けていたのでした。
二日目の記事は以上になります。最後まで読んでくださりありがとうございます。三日目の記事についてはこちらから読んでいただけますと嬉しいです。
北アルプスの秘境をめぐる真夏の大冒険ー雲ノ平・高天原温泉テント泊の旅(3日目:三俣山荘ー三俣蓮華岳ー黒部五郎岳ー北ノ俣岳ー太郎平小屋ー折立)ー
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