2021/7/22-24 北アルプス表銀座テント泊縦走(2日目:大天荘ー横尾山荘)

北アルプス表銀座テント泊縦走の二日目の記事になります。一日目の記事はぜひこちらをご覧くださいませ。

【山行計画】

2日目:大天荘ー水俣乗越ー横尾山荘(テント泊)

【登山日誌ー2日目】

多少の寒さを感じながらもしっかりと睡眠を取ることができ、テント泊に慣れてきた自分を少し誇らしく思いつつ、予定よりも早く1時30分頃に目が覚めました。まずは朝ごはん(?)の準備です。朝は尾西の五目ご飯に挑戦です。

お湯を注いで待つと徐々に膨らんでいき、15分ほど経つと食べることができるようになります。恐る恐る食べてみると・・・美味い!旨い!うまーい!今まで食べたアルファ米の商品で一番美味しい。五目ご飯独特の甘味・酸味がすごい良い。正直食欲がわくアルファ米飯なんてないだろうと思っていたのですがこれはおいしい。一気に平らげてしまった。これは本当におすすめです。

周りの方も徐々に起き始めているとはいえ、まだまだ深夜時間なのでできる限り周りの方に配慮しつつ、テントの撤収と荷造りを進めます。それにしても月夜が美しい。

深夜3時に予定通り出発します。余談ですが私はナイトハイクがすごく好きです。暑くないし、星空は綺麗だし、静かだし本当にいいことばかりだと思っています。もちろん十分に注意しなければならないのですので、そこは細心の注意を払います。空が徐々に明るくなり、変容していく様は神秘的で、崇高で、雄大です。

世界が明るさを取り戻し始めました。真っ暗な世界が徐々に明るさを取り戻していくその移り変わりの時間が山に登っている瞬間で一番好きかもしれません。

6時20分に赤岩岳(標高2,769m)に到着です。ここからヒュッテ西岳まではまだ1.3kmありますが、徐々に槍ヶ岳が近づいてくるので確実に進んでいるんだなあと嬉しい気持ちになります。

そして赤岩岳からさらに1時間ほど歩き、ようやくヒュッテ西岳の赤い屋根を確認することができました。もうここまでくれば後少しです。7時30分にヒュッテ西岳に到着。ここで長めの休憩を取ります。こんな山奥にあるのに、なんとトマトと牛乳があるということだったので即購入しました。ご主人がトマトに塩を振ってくださり、その心意気にとても温かい気持ちになります。まずトマトの瑞々しさに感動。空の蒼さにトマトの赤さが映えます。私は1日1ℓのペースで牛乳を飲むくらい牛乳が好きなので、山の中でも出会えて幸せでした。

30分ほど休憩し、8時に出発します。本来であればこの日は槍ヶ岳山荘まで行く予定でしたが、すでに撤退を決めていたのでのんびりと行動します。山頂に行くだけが登山じゃない。もっといろんな楽しみ方があるじゃないかと、そんなことをふと考えていました。表銀座コースにおいてエスケープできるところはほとんどないのですが、水俣乗越から槍沢に降りていくことができます。天候が悪くなった時はこのエスケープルートがよく使われるそうです。ハシゴを含む急なくだりをこなし、登り返しを経た上で9時20分に水俣乗越に到着します。名残惜しいですが、槍ヶ岳の勇姿、北アルプスの山並みとはお別れです。今回も素晴らしい経験をありがとう。そう心の中で呟きながら下山します。

槍沢までは2kmを延々と降り続けます。結構斜度もあるので膝にきます。沢が見えてくるのになかなか辿り着かないのがもどかしい。感覚的には丹沢のバカ尾根こと、大倉尾根を下山する感覚に近かったです。

休憩を挟みながら10時50分に槍沢大曲がりに到着。膝が爆笑しています。しかしここまでくれば後はなだらかに降り続けるだけなので今回の旅も無事に終われそうだと少し安心もしました。後は沢沿いに上高地を目指します。

水が豊かなところはやはり自然が豊かなんだろうとおもいますし、水が豊かなところで育つと心も豊かになるんじゃなかろうかと思ったりします。ここら辺はとにかく歩いて気持ちが良かったです。まだまだサンダルで歩けるような場所ではなので、気を抜いて登山靴を履き替えたりしないようにお気をつけください。

1時間ほど歩き続け、12時10分に槍沢ロッジに到着します。自販機がある・・・。その便利さに感動するとともに、それだけ山を降りてしまったんだなと寂しい気持ちにもなっってしまいます。ここでは昼飯を食べます。豪華な昼食メニューが嬉しいですね。本当は全部食べたいくらいですが、財布事情も気になり始めてきたので、牛丼だけで我慢します。あとなぜか山に来ると炭酸飲料が飲みたくなる。普段は全く飲まないのに不思議です。

甘塩っぱい味付けが身体に染み渡ります。汁だくだくでというお願いをしそうになり、ギリギリのところで堪えたのは内緒です。ゆっくり休憩し、13時に出発します。本日の幕営拠点である横尾山荘を目指します。ここからまだまだかかります。単調な道のりを黙々と歩き続け、14時50分に横尾山荘に到着です。ちょうど少しずつ雨が降り始めたので急いでテントを張ります。このテントを張るのもだいぶ慣れてきてスムーズに設営できました。雨が一気に強くなってきたので逃げるようにテントの中に入ります。

ここは設営できる場所も広く、なんといっても地面が土と芝なのでめちゃくちゃ過ごしやすかったです。大天荘の岩地獄を経験した後だったので、高級ベッドに寝ているかのような感覚になれました。ただ標高が下がった分虫がめちゃくちゃ多く次々にテント集まってきます。こればかりは仕方がない。無事到着したと一安心したことで一気に疲れが出てきてしまったので、さっさとご飯を食べて寝ることにします。今日は尾西の携帯おにぎりを試します。

お湯を入れると徐々に膨らんでいき15分ほどで完成します。正直おにぎり的な形にはなりますが、袋も開けづらかったのでこの形にこだわりなくてもいいのかなとは思いました。ただ相変わらず美味しい食べ物でした。技術の進歩を感じます。あまりにも気持ちよくくつろげる空間だったのであっという間に眠くなり、17時頃に就寝しました。

明日はいよいよ最終日。上高地を目指します。

3日目の記事はこちらへ。

2021/7/22-24 北アルプス表銀座テント泊縦走(3日目:横尾山荘ー上高地)